シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


女が…朱貴の上に跨がって、

結合部分に充てるように黄色い布をかけた。


「朱やんは無敵とちゃう。しかも相手は"血統付き"の魔女や。直接魔女の邪眼にあてられて、紫茉はんの幻影でも見ていたら…」


そしてゆっくりゆっくり女が動き出す。

朱貴の顔が、一瞬…歪んだ。


まるで愛しい男を相手にしようとしているように…その白い腕が蛇のように朱貴の首に絡みつく。


大勢を相手にしているのとはまた違う、その淫靡な光景はリアル過ぎて。

エロビデオなんかよりよっぽど卑猥だと思う。


例え惚れた女が居ても、我慢するのは正直辛ぇよな。

…なんて少し同情してしまった俺に、


「ではワンワンはん、魔女がトランス状態に入ったら合図しますさかい、その時は一時的にワンワンはんは炎の力も使えるはずやから、それでこの穴を広げて下に飛んで下され。

葉山はんがあんなんでふらふらしていれば、紫茉はんと朱やんを回収できまへんから、ワンワンはんの出番や。ちなみに朱やんの力はあてにせんとてや。この宴でかなりの力消失して、今はワンワンはんくらいの力しか出せない状態になっとるはずや」


俺…そんなレベルかよ。


「で翠はんやけど…。ワンワンはん…耳と口から手をどけてくれまへんか」


俺はその通りにした。


「うおぅ…葉山の裸は何処だ!!?」


第一声がそれかよ、小猿…。

お前そればっか今まで考えててたのか?


だから…

儚い夢だってば…。


って、俺からは言えねえから…早く自分で気づけ?


「おい目、目を離せって、ワンコ~ッッ!!!」


じたばた、じたばた。


小猿は元気だ。

そんなに車で食ったきび団子の威力は続くものなんだろうか。



「翠はん」


聖が言った。


「翠はんの小々猿はんの姿を、別の姿に変えて貰いたいんや」


別の…姿?