女が…朱貴の上に跨がって、
結合部分に充てるように黄色い布をかけた。
「朱やんは無敵とちゃう。しかも相手は"血統付き"の魔女や。直接魔女の邪眼にあてられて、紫茉はんの幻影でも見ていたら…」
そしてゆっくりゆっくり女が動き出す。
朱貴の顔が、一瞬…歪んだ。
まるで愛しい男を相手にしようとしているように…その白い腕が蛇のように朱貴の首に絡みつく。
大勢を相手にしているのとはまた違う、その淫靡な光景はリアル過ぎて。
エロビデオなんかよりよっぽど卑猥だと思う。
例え惚れた女が居ても、我慢するのは正直辛ぇよな。
…なんて少し同情してしまった俺に、
「ではワンワンはん、魔女がトランス状態に入ったら合図しますさかい、その時は一時的にワンワンはんは炎の力も使えるはずやから、それでこの穴を広げて下に飛んで下され。
葉山はんがあんなんでふらふらしていれば、紫茉はんと朱やんを回収できまへんから、ワンワンはんの出番や。ちなみに朱やんの力はあてにせんとてや。この宴でかなりの力消失して、今はワンワンはんくらいの力しか出せない状態になっとるはずや」
俺…そんなレベルかよ。
「で翠はんやけど…。ワンワンはん…耳と口から手をどけてくれまへんか」
俺はその通りにした。
「うおぅ…葉山の裸は何処だ!!?」
第一声がそれかよ、小猿…。
お前そればっか今まで考えててたのか?
だから…
儚い夢だってば…。
って、俺からは言えねえから…早く自分で気づけ?
「おい目、目を離せって、ワンコ~ッッ!!!」
じたばた、じたばた。
小猿は元気だ。
そんなに車で食ったきび団子の威力は続くものなんだろうか。
「翠はん」
聖が言った。
「翠はんの小々猿はんの姿を、別の姿に変えて貰いたいんや」
別の…姿?

