もう1回!!!
………。
「…おや?」
ぽっ、とも出てこねえ。
行け行け俺!!!
………。
「…ああ?」
――お前は短気過ぎるのだ!!!
…頑張れ俺!!!
俺だってやれば出来る子…
………。
「何だあ!!?」
まるで全然さっぱりと。
炎が…生まれねえんだ。
確かにないものを再現できるのは、並大抵なことではねえけれど、少なくとも過去何度かそれをやれた俺に、今更"実は出来ません"だなんてありえねえだろ。
俺は太陽石を顕現しようとしてみたが、やはり偃月刀に変わらねえ。
何か物理的障害でも…。
――そこまでその場の磁力がまだ強力なんであれば、ワンワンはんの炎も絶望的やな。
「あれが、原因かよ!!!」
思わず憤って立ち上がれば、がごんと頭が低い天井にぶつかって、思わず蹲る俺。
「ワンワンはんって…見てて飽きまへんな~」
聖が実に愉快そうに俺を見て笑っているけれど。
下では桜が、凄い形相で俺を睨み付けている。
"何とろとろしてんだ、早く!!!"
そんな処だろうが…。
悪い桜。
お前が何とかして、炎が生まれるようにしてくれね?

