『きを……つけ…ろ…』
そして空気の色を変える。
『なにも…のぞ…むな…』
俺は目を細めた。
『ここ…ろ…を…
うば…われ…たら…
こ…ぅ…なる…』
心?
『こう…おう…』
紅皇?
『き…いろ…に…』
黄皇…?
『てぃ…あら…
ぎゃく…てん…する』
ティアラ?
『まほ…う…じん…は…
こわさ…れ…る』
え?
『うんめ…ぃのわ…は…
まわりおぇ…
じか…ん…がき…た…』
俺が訝った目を向けた時。
「――…ほう。
これはこれは…」
感じた気配に、
聞こえた声に――
俺と榊は同時に背後に振り返った。
「妙な処で、
妙なものに出会う…」
それは――
皮肉気な笑いを浮かべる、
久涅だった。

