シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 
僕のバングルの月長石は、凱との戦いにおいて、既に備蓄していた電気はなくなっていた。

僕の力の糧となるもの。


1つ…電気の誘導方法はあったけれど、それはあまりにも時間がかかりすぎて適していない。


ならば――

僕自身が芹霞に追いつくしかない。


外気功を空に放って加速つけた途端、心臓がずきんと痛んだ。


片手で胸を掻き毟りながら、反対の手を必死に伸す。


痛いなんて…

苦しいなんて…


そんなこと言ってられるか!!!



「芹霞…もう少し…」


近付く。


少しずつ、僕は芹霞に近付いていく。


「玲くん…」


もう少し。


伸された芹霞の指先が、もう少しで僕に触れる。


「芹…っ――…!!!!?」


その時、僕は感じたんだ。



凶々しい――

この感覚は!!!?




「玲くん、蝶が…

黄色い蝶が来たッッッ!!!」



芹霞が絶望的な声を出した。