「何であの女が布教してるよ?
教祖みてえにさ」
判らない。
しかし場に集まっている人間達が"エディター"に平伏しているということは…このおかしな会場にて、彼女はそこそこの力を持つのだろう。
「間違いなく、黄幡会の怪しい何かの一環だな」
皇城翠が呟いた。
そうだろう。
視界の端に…おかしな置物がある。
蛇の様な…置物。
腹に掘られているのは…
「皇城と同じ九曜紋…」
翠が目を細めた。
「やっぱり…黄幡会は、皇城の一派なのかなあ」
諦めたように、翠が溜息交じりに言った。
私は煌と目を合わせた。
「どういうことだ?」
「元々皇城は…黄幡会を警戒してたんだ」
翠はぼそぼそと言った。
「警戒って…周涅といい、手結んでたじゃねえか」
「ああ…うん。厳密に言えば…兄上が、黄幡会を警戒してたんだ」
兄…神童と言われた、誉れ高い皇城雄黄か?
「だけど兄上…事故に遭ってから、豹変して…それから多分、黄幡会と皇城は仲良くなったんだと思う。兄上が、変わってしまわねば、多分…今とは違う状況だったと思うんだ」
そういうと、藍鉄色の瞳は伏せられ、悔しそうに…その唇はくっと噛みしめられた。
『今より…儀式を執り行う』
上岐妙が声を上げた。
『皆の者。全ての欲を吐き出し、魔方陣に…力を注ぎ込め』
そう言った途端…
会場の全員が――
「「「は!!?」」」
身に付けていた白い布を取ったんだ。
仮面をつけた全員が全員――
即ち、
全裸になったのだ。

