「皆花よ…りぞ木…実とは…生る…我が身…は則ち…六根清…浄な…っ…」
「久遠様!!!?」
久遠の身体が苦悶に前のめりになる。
何か…根本的な解決方法はないのか?
どうすれば久遠を助けられる!!?
――!!!
その時、急激に瘴気が膨張して、動いたんだ。
「あがぁ…!!!」
同時に久遠も、掠れた声を上げて。
そのタイミングの良さに、俺は瘴気の発生が原因だと思い当たる。
「あれ……」
苦痛故に潤んだのであろう紅紫色の瞳が、気丈に動いた先が――瘴気の出所を走査していた俺が、特定した場所と一致した。
それはある…幾つかのスクリーン群。
!!!!?
スクリーンの内部で――
何かの影が動いていたんだ。
複数のスクリーンに跨がり、
左から右へ…まるで駆け抜けたかのように瘴気が走る。
瘴気は漠然としたモノではなく、人型の輪郭を持つ黒い影として、スクリーンに映し出されていたんだ。
久遠を苛むのはこれか!!?
映像源が機械であれば、この現象は説明が付かない。
更にカオスの波形やドラゴンヘッドの映像自体、同時映像ではなく…個々ばらばらに動いていることを考えれば、別起動している複数の機械間で、"走る"効果の再現は出来ないはずで。
いや、玲レベルなら出来るのかもしれないが…。
また…駆け抜けた。
今度は、右から左へ。
視界には…影を落とす物体がない。
ならばもう必然的に――。
"スクリーンの中で何かがいる"
そうとしか考えられなかった。
しかも複数。
それは――俺の直感。

