ただ判ることは――
「あのスクリーンには、"負"の属性がついたな。
蛆や蚕と同じ…そんな気を発するようになった」
だとすれば。
俺は剣を、蓮の前に出した。
"鏡の術を"
今此処に、特殊なる鏡があるというのなら。
俺の剣にも、久遠と同じ…聖なる力を。
邪を切り裂く、鏡の加護を。
蝶は判らないけれど、蛆と蚕とスクリーンなら俺でも破壊出来るように。
しかし。
「……。お前は、由香を連れて、此処から出ろ。
今なら此処から出られる」
突如久遠はそう言った。
「お前には帰るべき場所がある。
お前にも…闘いがある」
何を――
「お前は、"約束の地(カナン)"から出ても生きていられる」
俺を見つめる紅紫色の瞳。
それは悲哀のような妬みのような…。
「お前には、待っている人間が居る。
そいつの元に帰れ」
一瞬…
視線を感じたのは手首の布。
「お前は足手纏いだ。
だから、此処から出ていけ!!!」
紅紫色の瞳は…感情を殺した瑠璃色に変わる。

