シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



ただ判ることは――


「あのスクリーンには、"負"の属性がついたな。

蛆や蚕と同じ…そんな気を発するようになった」


だとすれば。


俺は剣を、蓮の前に出した。


"鏡の術を"


今此処に、特殊なる鏡があるというのなら。

俺の剣にも、久遠と同じ…聖なる力を。


邪を切り裂く、鏡の加護を。


蝶は判らないけれど、蛆と蚕とスクリーンなら俺でも破壊出来るように。



しかし。


「……。お前は、由香を連れて、此処から出ろ。

今なら此処から出られる」


突如久遠はそう言った。


「お前には帰るべき場所がある。

お前にも…闘いがある」


何を――


「お前は、"約束の地(カナン)"から出ても生きていられる」


俺を見つめる紅紫色の瞳。


それは悲哀のような妬みのような…。


「お前には、待っている人間が居る。

そいつの元に帰れ」


一瞬…

視線を感じたのは手首の布。


「お前は足手纏いだ。

だから、此処から出ていけ!!!」


紅紫色の瞳は…感情を殺した瑠璃色に変わる。