シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「ふるべふるべ…

ゆらゆらとふるべ…」


苦しそうな声で久遠は言葉を放つ。


何度も何度も。

そして鎌の先を地面に突き刺した。


ざく、ざく、ざく…。

それは規則正しいリズムを生み、それに載せて久遠の声が響く。


久遠の鎌が…形を変える。

それは錫杖(しゃくじょう)。

久遠が揺らすと…


シャラアアアン。


鈴の音がした。


「ふるべふるべ…」



シャラアアアン。



「ゆらゆらとふるべ…」



シャラアアアン。


まるで幻想世界に迷い込んだような…聖なるハーモニー。

苦悶の声は次第に落ち着き…凛としたものへと変わっていく。


その変化すらリズム。


音だ…。

久遠自体が音を生み出している。


取り込まれるではなく、独立した音を作っている。


言葉は音。

音は言葉。


言霊使いの久遠は、力となる音から言葉の力を引き出している。


周りに惑わされない、確固たるリズムを保持して、



シャラアアアン。



「とほかみえひため」



一瞬…

久遠が発光したかのように思えた。


そして――


「…はぁっ…危なかった」


そう呟くと同時に…

錫杖は大鎌に戻った。