闇夜の中、突如浅黄色で蠢くものがある。
それは何かの波形のように。
「スクリーンに、
一斉に…映像が映った!!?」
電力が落ちている此の地で、しかも電源などで繋がれていない巨大スクリーンに、カオスの波形を見せる映像が一斉に映ったんだ。
その光源で…スクリーンが俺の想像以上に点在していることを知る。
電源がないのに映るスクリーン。
それは突如浮かび上がった人魂のように、あまりに異様な怪奇現象で。
そして――
「何だ此の音楽は!!!」
久遠が耳を押さえた。
何処からか流れてきた、大音量の音楽。
激しいリズム。
調子外れの機械音が絡み合う。
この曲調は…聞き覚えがある。
何処でだ?
そして――
スクリーン一杯に映し出されたのは――
何かの図形。
見覚えある。
平仮名の「ひ」の両端を丸めたのを上下にひっくり返したようなもの。
俺は思い出す。
あれは、桜華で"エディター"の使い魔が指でなぞっていたもので。
「あの図形は…ドラゴンヘッド!!!?」
久遠が怪訝な顔をした。
ドラゴン…ヘッド?
「あれは…羅侯(ラゴウ)の印…何だよ、この音はッッ!!!」
久遠が鎌を落として、両耳を手で押さえた。
「この高い音は…何だ!!!?
ああ、思考力を掻き乱す!!!」
俺は…蓮と顔を見合わせた。
俺も蓮も平気で――
聞こえるのは、おかしな音楽ばかり。
どうやら不可思議な音が聞こえているのは久遠だけらしい。

