シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



確かに――

辺りは暗い。


だがそれは、蛆の侵蝕により電飾が破壊されたのだと思っていた。


久遠は流石に驚いた顔をして、堅い表情でいる蓮に荒げた声を放った。


「"約束の地(カナン)"の電気系統は特殊で巨大だ!!! 遊園地の全電力を同時に動かしても、まだまだかなり許容量があったはずだぞ!!? それがどうして落ちる!!!?」


「はい。由香曰く…別の場所で、"約束の地(カナン)"総消費電力以上の、大量の電気が放出された為に、過電流による許容過負荷が起ったと。

更には、レグの機械の自衛機能(セキュリティシステム)が作動し、電子系統の物理的異常による災害から守る為、電気の消耗が激しい遊園地の電力配給と統制を放棄。現在は最大利用できる最低限の電力で、由香が無理矢理制御している状態です」


「その"大量の電気"というのは何だ!!? …何処でだ!!?」

「それが…移動しているようで、特定できないと」


移動!!!?

電気が移動しているのか!!?


「久遠様。由香が色々努力していますが、彼女の知識と力では追いつかぬ規模らしく…このままだと、サイバーショットに閉じ込めた蝶の解放は無論、"約束の地(カナン)"の全電力停止は時間の問題かと」


「他アトラクションの利用者は!!!? 電力が落ちたことで、閉じ込められて逃げれなくなる奴らはどれ位だ!!? お前達が救助したのはどれ位だ!!?」


「久遠様…それが…多すぎるんです」


蓮が困惑した顔をした。


「全体的にいつもの3倍以上の利用者が"増えた"んです、突然に!!! 救助して空にしたはずのアトラクションにも、気づけば人がいるんです!!!

人間が…異常発生している状況です!!!」


俺と久遠と顔を見合わせた。


「入場門は、由香に言って既に閉鎖させてます。増えるわけ無いんです。しかし…どう考えても多すぎる。逃げ惑う人間の数は、今日の…把握出来ている来園者よりも多いんです!!!」


「空…ヘリからの来園者の可能性は!!?」


「既に…ヘリポートも閉鎖しています。船の可能性もありませぬ。蛆のように…湧いて出たとしか説明が付かない」


しかし、その説明こそが説明出来ない説明だ。