シンデレラに玻璃の星冠をⅡ




『久遠さま、僕達も~』

『旭も~』


彼らとて、戦鬼であると同時に久遠を慕う部下で。


…13年もの間、そして現在も尚、久遠を思慕していることを俺は知っている。


"約束の地(カナン)"は久遠の地かも知れないが、同じ地に足をつけている以上、此の地は俺の地であり、同様に司狼や旭の地であり。


共に居る者を救いたいという心は同じ筈で。


これは1人だけの闘いではないんだ。

そして1人に任せている程、俺達は弱い存在ではない。


そんな周囲の"ありがたい"声を聞かず、あくまで1人で何とかしようと再び背を向けた久遠の背中を、俺は足で蹴り飛ばした。


背中に黒い大きな靴跡がついてしまったが…内緒にしておこう。


「お前、耳までおかしくなったか!!?」


本当に面倒臭い男だ。



俺は――

久遠の鎌を奪い取った。


そして一閃。


俺だって武器を扱うことが出来る。

伊達に緋狭さんの元で修行していたわけではない。


それに――


救いたい者を救う為に、

人型の妖しを斬った処で罪にもならない。


覚えておけ、久遠。


口に出せないのは口惜しいが…。



『りんりん、僕も~』

『旭も~』



久しぶりに動くと気分がいい。


スカートという慣れぬものが、動きの邪魔をするが…。


それでも…

気分がいい。


こんな時に高揚する俺は、おかしいんだろうか。