私は、その封筒に目を向けて…そのまま、目だけでちらりと氷皇の藍色の瞳を見遣った。
玲様に渡したくない。
凄く――
いやな予感がして。
絶対、玲様は…"えげつなく"キレる気がした。
「ん?」
にこにこと笑いながら、首を傾げて…氷皇は、ずいと青い封筒を私に突き出した。
私の顔は拒否感に引き攣った。
「ん?」
更に封筒が目の前に突き出される。
『愛するレイクンへ』
名指しの封筒に…
いいことなど書いていない気がする。
玲様の冷ややかな顔ばかり脳裏に浮かぶ。
今、玲様は大変な境遇にあられて。
そう。
こんな氷皇の茶番に付き合う暇などなくて。
だから私は、玲様を守る為に――
「受け取らないと――
チクっちゃうよ、カイクンのこと」
「………!!!」
「ねえ…君がどんなにカイクンに仕えている気でもさ、カイクンは今…誰に仕えているんだっけ?
……ん?
――どうだ、桜?」
突如変わる威圧的な声色。
「アカが人情でお前を助けたなどと生温いことを考えるな。
この劇の"案内人"は俺だ。
お前らなど、俺の意志一つで何とでもなる。
舞台から引き摺り下ろすことは至極簡単だ」
氷皇特有な…酷薄な笑い。

