シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「おかしいと思ったんだ」


横では桜が溜息をついていた。


「私達が皇城翠と合流して、七瀬紫茉を探しているのを判っていながら、どうして朱貴の名前だけが出なかったのか…。周涅の術かなんかの外部的作用によって、撹乱されている…とも思ったけれど」


確かに。


「だけど…3人で来いともメールには書かれていなかった。

私達はタダのダシで、七瀬紫茉情報なんて本当は何もなく、ただ言い様にからかわれただけか?」


桜がぎりと歯軋りすると同時に。


「ちゃうちゃう~」


突如聖は話に割り込んできて。


「情報屋は嘘つきまへんで?

大事な情報を"売る"でなく、

今回は"提供"するのやから、

こちらの眼鏡に適ってくれまへんと。

試さして貰いましたわ」


思ってたけどよ…

お前…何弁よ?


怪しいイントネーション使うなよ。

関西弁喋りたいなら、関西に修行に行け!!!

俺でも判る、おまえのは関西弁じゃねえ!!


しかも此処は東京だ!!!


そう思いつつ…


「試したって…あれ、全部お前の仕業かよ」


俺は、今更のような"危機"を思い出して、睨み付けた。


「半分は」


その含んだ笑いを見た時、俺は氷皇の姿を髣髴した。


こいつはただのアホハットじゃねえ。

何かを企てている…抜け目ねえ奴の類の顔。