シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「これを期にまた…」

「お前と組んだのは、"時期"が来るまでという契約「時期って? 朱貴何してたの?」


小猿の割り込みに、朱貴は小さく舌打ちをした。

小猿に聞かれたくないことだったのか?


やっぱりホストか?


小猿は聞きたいとばかりに、目がきらきらだ。

俺も好奇心に目がきらきらだ。


「何でもありません。僕の遠い昔の過ちです。君は寛大ですから、僕の過去を不問にして頂けますよね? まさか吊るし上げて僕を苦しめたいわけじゃないですよね」


黒い微笑。


「お、おう?」


飲まれるな、アホ小猿!!


朱貴の変わり身の早さと"確信犯"は、玲並みだ。

ここまで隠されれば逆に気になるじゃねえか。

はっきりさせたくなるじゃねえか。


「小猿がよくても俺が…「はい?」

「ずばりホス…「はい?」


「………。

ナンデモナイデス…」


駄目だ。

迫力負けだ。


たった二文字の返答に、冷や汗が出てくる。


何でか、緋狭姉相手にしたような感覚。


緋狭姉に近しいものを感じれば、


自然の道理として――

…条件反射のように縮こまる俺。


俺はヘタレだ。

猿にも劣るヘタレだ。


そう、ずんと落ち込んだ。