シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「聞こえてますかッッ!!!?

大きくした偃月刀で、弾きなさいッッ!!!

それなら、弾けられる!!!」



はっと我に返る。


俺達を囲った青い光は、じわじわと俺達に近付いている。


桜がじりと足を動かした。



「煌…。何をも溶かす青光が、お前の偃月刀だけ溶かせないというのは、かなり都合良すぎる気もするが…。朱貴が言うのなら…お前のおかしな偃月刀が此の場を救うかも知れない。早くやれ!!」


「桜……」


「どんな意見も却下だッッ!!! 

やれ、早くやれ、速攻直ちにさっさと!!!」


多分――

桜は判っている。



「桜……」


「そんな目を向けても無駄だ!!! 

やれと言ったらやらんかッッ!!!」


でも桜からはアドバイスはなく。


ただ"やれ"の一点張り。



じわじわと近づく青い六芒星の囲い。



「何やってるんですか、早く!!!」



朱貴のヒステリックな声に俺は叫んだ。



「やり方が――

判んねえんだよ!!!」



「は!!?」



「偃月刀をデカくする方法!!!」



桜は頭を抱えてしゃがみ込んだ。