何でだ!!?
俺達の耳も頭も腐ったのか!!?
『かごの中の鳥は…』
何でこんな時に童謡なんて…。
しかも桜も朱貴も聞こえていないみたいで。
「ワンコ、葉山、気をつけろ!!!」
小猿が慌てた声を張り上げた。
『いついつ 出やる…』
「あいつら…おかしな六芒星…を!!」
その声を上から被せたのは朱貴。
「あれは…"籠目の陣"!!!?」
それは驚愕に満ちた声で。
「"あいつ"か!!!?」
"あいつ"?
気づけば青い光は――
暗闇に、ドデカい正六角形を象り、その内部目一杯に、三角形を上下に合わせた六芒星を描き…
『夜明けの晩に…』
歌に合わせて、延々と内部に六芒星が描かれていく。
それだけじゃない。
「煌、囲まれてる!!!」
気づけば、上、左、右、正面…言わば、下以外の方向全てに同じ現象。
「何で――」
小猿が叫んでいる。
『 鶴と亀がすべった…』
「何で陰陽道の"清明紋(せいめいもん)"が、魔除けの印が敵側の攻撃になっているんだよ!!!?」
逃げよう。
ここはこれから逃れた方がいい。
どう逃れる!!?
延々と続く六芒星。
その緻密さに…
躱す術無し、と…瞬時の答えが出てきた。

