敵は強い訳じゃねえ、数だけの問題。
偃月刀の刃に映るのは。
白い制服を着た――
これは自警団か?
それとも制裁者(アリス)か?
もう1つ可能性としては、黄幡会関係者か?
3者の服は同じだ。
同じ型、同じ色。
それはきっと…偶然ではねえだろう。
あっさりと俺達にやられている弱さを思えば…ただの雑魚。
だけど…雑魚と言えども、どうしてこんなにわさわさ湧くんだ?
それはまるで増殖した蛆の如く。
不可視たる様は、小猿に言わせれば…《妖魔》だとかいうんだろうけど。
何だか時間稼ぎの罠に嵌った気がして、余計イライラが募るんだ。
「煌…お前先にあいつらと行け。此処は私が…」
イライラしているのは桜も同様のようだ。
「だけど…俺と桜と小猿が一緒が条件だろ? かといって朱貴に此処を任せても…」
ちらりと見る朱貴は、腕組んであたりを見渡している。
朱貴もイライラしているのが、雰囲気からよく判る。
「どんな理屈で湧いているか判らないが…。…!!! 煌、伏せろッッ!!!」
桜の声と俺の反応と――
「また万年筆かよ!!!?」
青い光が飛ぶのがほぼ同時で。
しかも次々と…
まるでビーム乱射の状態。

