此処はショッピング街のど真ん中。
建ち並ぶ店々にも蛆に侵蝕されて、
外郭が崩れては朽ち果てる。
聞こえるのは歓声などではない。
逃げ惑う人々の悲鳴だったんだ。
この蛆は普通の蛆とは違う。
触れるものを食らい尽す。
逃げ惑う人々が、身体の一部を蛆と接触している限り、そこから蛆は攻撃し…人型の輪郭を破壊していく。
これは地獄だ。
真紅色さえ埋め尽くす…
純白の地獄。
久涅が言っていた地獄とは、
このことを暗示していたのか?
「何でこんなことになってるんだ!!!?」
久涅は居ない。
若林アナが1人…
虚ろな顔で中継しているだけ。
その目には何が映っているというのか。
他の奴らは?
――!!!
ああ…
他の奴らはいるじゃないか。
道端に規則正しい間隔で四つん這いとなり…大口を開けて。
そこから流れ出ているのは――
「あいつらの口から…
蛆が湧き出ているのか!!?」
久遠が声を上げた。

