シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



「こんな階段…オレは知らない。

何だ、この道は…。

どうして、久涅は知ってたんだ?」


訝る久遠の声が反響する。


慎重に俺達は階段を下りていった。


壁には、黄色照明がちかちかと点灯している。


この場所にも…電気は通っているのか。


埃に塗れた階段が、使われなくなって年数が経つことを物語るけれど、足場を見てみれば…真新しい多くの靴跡で踏み荒らされたような形跡があった。



「また階段の出現だ…。どうやら連中は、この先を進まず…一度上に上がったようだな」


靴跡を追いながら、俺達は階段を上っていく。


何処に出るというのか。



その時――

上から声がしたんだ。



「皆様、とにかく"約束の地(カナン)"は素晴らしい。

最高です!!! 感動です!!!


見えてますか、聞こえてますか!!?


ああ!!!

こんな"純白"の奇跡の中から――


もう少しで"彼ら"が出てきます!!!」


"彼ら"?


それはマイクで叫んでいるらしい若林アナの声。


久遠は、耳を手で押さえた。


「あの女…興奮すると益々声音を上げる。

一段と耳障りになって、脳が掻き乱されそうだ」


俺はそこまでの害毒性を感じてはいないが、久遠にとっては切実なものであるらしい。


「ああ、何て幻想的な世界!!!


甘美です、甘美です!!!」



地上では――


一体何が起っている?