シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


骨の残骸から風が生じるはずはない。


だとすれば…?


埃被った骨の山に…

煤が払われたような骨が疎らに見つかった。


触れた形跡がある。


俺がそれをよく見ようと、骨に指先を触れさせた瞬間、まるで感電したかのような軽い衝撃を受けた。


ぱりぱり。


青く細かい光が、稲妻のように光る。



電気…?

何で此処に電流が?



「これは…結界だな」


思い出すのは玲の力。


俺の闇の力、久遠の言霊の力、そして玲の力まで。


無効化出来る上に――


――"模倣"したんだ。


そう訴えていたのは久涅のはずで。


――"模倣"、か。


訴えられていた久遠は、模倣されていて。


どういうことだ?

誰が、誰の"模倣"だ?


「しかし所詮は…真似事。

紫堂玲程の力もない」


そう嘲笑いながら、久遠は真顔になると…すうと息を吸い込んだ。


「凡(およ)そ神は正直を以て先となす。

正直は清浄を以て本(もと)となす…」


突如流れた凛とした声音。


澱んだ冷たい空気が、

動揺したように震えた。


「清浄は心に正さを失はず物を穢さず。

大道を守り定準を専らにす。

是を以て明光頂を照らし

霊徳掌(たにごころ)に入る…」


ふるふると震えるように揺れる空気は、

まるで共鳴でもしているかのように…

久遠の旋律に同調していく。


久遠の支配下になっていく。



「願を成して何ぞ成らざらんや 

万事は一心の作なり。

時々奉行して面々怠ること勿れ」


途端。

久遠の手が光り輝いて、


「…今こそ、真なる姿を現し賜え」


骨に触ると、山自体が脆くも崩れ落ち…


そして現われたんだ。


下に続く、階段が。