シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 

「こいつは特殊事情があるからいいとして、お前達までもが"天使"如きにぶれるなど意外…」


その時、ぐ~と空腹を知らせる音がして。

続けて、もう1回…呼応するように音が鳴る。


久遠は俺を見たけれど、俺はクラウン王子を促した。


何故俺だ!!!


俺は"しちゅ~"がまだ胸につかえて、腹などすかない。


「……。成る程ね。それで渇望して"ぶれ"たのか、お前達」


クラウン王子の腹の虫だけで、何かを悟った久遠。


『きゃはははは~、"ぶれぶれ"~』


ぐ~。


『お前~、さっきから涎垂らすなよ!!』


ぐ~。


ああ…。

そうだ、こいつらは…。


きっと幻覚を見続けていれば、

"奇跡的"な…涙を流すようなご馳走にありつけただろう。



ぐ~。

ぐ~。


「……その音、止めろ」

久遠が不愉快そうに言った。


ぐ~。

ぐ~。


『お前止めろよ、"三重苦"だぞ?』

『きゃはははは~』


ぐ~。

ぐ~。


「うるさい」


久遠の一喝で、静まり返る。


どんなに自堕落で腐っていようとも…

王子の上に立つ各務家当主。



醜いが故に威圧感あるワンコと、

美貌であるが故の威圧感のある久遠。


ここまで正反対であれば、

その強烈さゆえに頭痛がしてくる。