シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「随分と勿体ぶった"謎"だと思えば、

――天使、だって?」


まるで嘲笑うようかのように、報道陣の1人が言った。


「この世にそんなものはあるわけ無いだろう。

そんなのは架空の存在。

翼が生えた生物なんてあるはずがない。

そんなのは…"化け物"だ」


ぴり。


空気が鋭くなったのは、クラウン王子。


久遠は無表情のまま。


「"化け物"すら見たこともないくせに、随分と知った口をきく」


久涅は…不遜な態度を見せた。

懐から、金の万年筆を取出して、くるくると手で回す。


カメラが回ったままだというのに、

俺の記憶する横柄な態度に変わっていく。


「化け物とみなす理由は何だ?


翼が生えていることか?

その肉体が特殊なことか?

惑わせる美貌を持つことか?


自分達とは少し"違う"ものがあれば、それを"化け物"とみなして堕とし込む。


だとしたら――

そうした化け物から見れば、人間達こそ…規定外の"化け物"。


翼が生えていない。

肉体は、硝子のようにすぐ滅ぶ。

惑わせる美貌を持ち合わせていない。


何が化け物であるかないのかなど、それはただの個人的な主観にしか過ぎない。"妄想"のようなもの」


それは…天使擁護の発言のように。

そして万年筆を、報道陣に向けて言い放つ。


「人間にとって――

"信じられる"ものこそが、

"存在するもの"であり、真実。


証明出来もしない"存在"の真偽を持ち出して、それを究極的な真実の拠り所とするのは、荒唐無稽な話。

論点の"すり替え"だ。


要は"規格外"を――

"受入れられるか否か"」


久涅は…どうしてこんなことを言うのか。