シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 
「それ、何」


必要最小限の言葉だけで、半端ない敵意。


紅紫色の瞳が、更に真っ赤だ。


俺は手を後に隠した。


「メイドなら、主人の命令は絶対的だ」


と、寄越せと言わんばかりに手を広げる。


俺は頭を横に振る。


俺に構う前に、もっと周囲を警戒しろよ。


「凜!!!」


俺は凜じゃ…



『――今だ!!

秘技…"膝かっくん"』



俺は――


転ぶのだけは、必死に耐えた。



「何だよ…見れるかと思ったのに」

「どんなの穿いてるんだろ」

「もう少しだったのにな…」



この複数の声は…報道陣。



俺は――


男だ!!!



そう一同睨み付けた後、元凶の源である…上下カクカクしながら走るクラウン王子を追いかける。


『きゃはははは~』

『モロ、ひっかかってやんの』

『りんりん、ズッコケ~』

『司令官の言葉は凄いな』

『うんうん。また喧嘩しそうならないかね~。久遠さまと。きゃはははは~』



遠坂…。


いや、待て…。

りんりんって何だ?


しめてやろうか、この王子!!!


後ろから羽交い締めにしようと、その上半身に触れた時――


腕に何かが衝撃を感じた。


見ると――

コートの袖が切れている。


『じっとしてろよ、りんりん』

『そうそう、りんりん』


何か…武器でも仕込んでいるのか?


物騒なクラウン王子だ。


ああ、なんか疲れた…。

俺…まだ体力完全に回復してないのに…精神的にまず困憊だ。