「段々と強度を上げます。
存分に…踊ってくださいな?」
青い光が、地面に落ちた金環に向けられた。
気づけば地面には、金の環が積み重なり。
それに向かわれるのは――
バアアアアンッッッ!!!
バアアアアンッッッ!!!
無数の青い光。
「強度アップ!!!」
愉快そうな声にあわせて、
ドガアアアンッッッ!!!
爆発音が凄惨なものに変わっていく。
広範囲の金の環。
逃げ場のない…それはまるで布陣。
これを…知らず配置したのは僕。
状況に気づかなかった僕の失態。
僕は爆発による攻撃をモロにうけ、身体がよろめいた。
身体を痛めつけられ、更に発作を抱え――
僕は力を出すことが困難になってしまった。
肉体的にも、精神的にも。
絶体絶命。
あの白金の力は…僕の身体を蝕みすぎていた。
その上での爆発は、追い打ちをかけたらしい。
悔しい。
悔しい!!!
力を。
僕に力を!!!
その時――
響いてきたのは…。
『願い求めよ。
さすれば我は汝等に与えん』
何処かで耳にした言葉。
誰でもいい。
お願いだ。
お願いだから僕に…
「願いを叶える"全能神"なんて
いませんわッッッ!!!」
ドガアアアンッッッ!!!
爆発の衝撃に、声は消え――
「虚しい"妄想"に逃げるのは許しませんわッッッ!!!
信じられるのは――
己の力のみッッ!!!」
僕は膝をついた。
「もうお時間ですわね。
それでは――。
よき旅を…」
丁寧な挨拶をした雅。
仮に宙に飛んだとしても…
浮遊できるわけではないなら、
爆発による衝撃を回避出来るわけではない。
いずれくる"終焉"時間を、僅か引き延ばすだけ。
折角…折角僕は力を強められたというのに。
このまま一方的にやられてしまうのか!!!?
そして残る制裁者(アリス)が一斉に…万年筆から青い光を、金の環に向けた。

