シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「元々金で補強されていたのを鉄で包んでいた環ですから、強力な周波数で、鉄を取り除けばただの純金の環」


雅はそう言うと――

取り出した万年筆の青い光を、その1つにあてたんだ。



途端。



バアアアン!!!



宙で爆発したんだ。


万年筆からの爆発とは比べ物にならない。


今までの爆発をEMP爆弾と呼んでいたのが滑稽だ。


なんという威力!!!


僕の力が掻き消される。

結界すら張れないとは!!!


爆発の衝撃に――

上空に舞い上がるコンクリート片。


それが鋭利な武器となり、突如生じた竜巻のような爆風に混ざって、僕の顔や首を遠慮無く切り裂いていく。


まるで――

鎌鼬のように。



「いい姿ですわね、『白き稲妻』。

――血まみれ」


青い上衣はぼろぼろで。

僕の体は裂傷で覆われ、真紅色に染まっていた。


極めつけは心臓。

耐えているのが辛い程の不整脈で、異常を訴えている。


ニトロ…は、ああ!!!

今の爆発で、上衣と共にどこかに吹き飛んでしまったのか。


此処で追攻撃されるか。

発作で倒れるか。


その二者選択しか残されていないのか。



「ご安心を。

貴方の後に――…

先程の方々も"送って"あげますから」


それだけは嫌だ。

それだけはさせない。


「ふふふ。では…方々。

金環手に光を!!!」


僕は慌てて白き力を放った。


しかし――。


僕の力の発動より…

多くの制裁者(アリス)が万年筆を構える方が早かった。


僕が倒れた後に、攻撃の手が芹霞に及ぶというのなら。


僕は今、此処で倒れるわけにはいかない。


もう少し長く――

もう少し、時間稼ぎをしないと!!!