消しても消しても押し寄せる制裁者(アリス)。
溶かしても溶かしても襲い掛かる鉄環手。
僕の中から、雪崩のように力が外に押し出されていく。
力と、僕の意識と…。
白い白い景色が…薄れていく。
意識を失って溜まるか!!!
僕は気を奮い立たせた。
一斉に制裁者(アリス)が万年筆を構え、青い光を発する。
まだ何百と残る集団から、僕だけに絞って向けられるの青い光に――僕の力が押し戻された気がした。
同種の力は、強さが勝負。
幾ら僕が力を振り絞れど、数には勝てないというのか!!?
そんなこと…認めない。
「『白き稲妻』…。電磁パルスは…"金"を媒介に、核並みの威力を発することご存知ですか?」
不意に聞こえた雅の声。
「凱は肉体を増強させ…
私は"武器"を増強させましたの。
私のメインは――
鉄環手、なんですのよ?」
雅が懐から出した何かの小さなスイッチを取り出した。
それを押した途端、僕の頭に…あの"共鳴音"が響いて。
「貴方の中から取り出した、
特殊な周波数ですわ…」
僕の周波数?
「電気の力って素晴らしいですわ!!!
今なら、それを操る貴方に…感服する心地です」
そして空に舞った複数の鉄環手が――
「初お披露目ですわ。
――"金環手"」
突如金色に輝いたんだ。
何だ!!!?

