「さあ、始めましょうか…『白き稲妻』。
不本意ながら…援軍もようやく集まりました」
雅は笑いながら後を振り返れば――
そこに居たのは…
夥しい数の制裁者(アリス)。
100、200処の話じゃない。
500人は居る。
目が…真紅色に染まっている。
ああ――!!
何でこんなに集まるまで、僕は気づかなかった!!!
というより。
その事態は――
ありえなくないか?
いくら何でも…
何も感じないなんて…変だ。
僕の矜持云々ではなく――
人としての感覚が麻痺していることになる。
だけど。
これらの人数が、瞬間移動のように突然現われたと説明する方が、無理がありすぎる。
「"今回"は選りすぐったつもりですわ。
武器は一律あの"金の万年筆"という面白くないものを持たされた方々ばかりですが、腕は私が保証しますわ」
ふふふふふ。
僕の力は使えない。
だとしたら…
たった一人で、僕は500人を体術で相手をしないといけないのか。
姿を目に留めた途端――
相手の実力も見えてくる。
これは今までの雑魚の比ではない。
1人1人が凱や雅並の力がある。
どうする!!?
後ろにあるのは、最早車と呼べなくなった鉄の塊。
そこに身を寄せるのは、素人。
僕の最愛の女性も居る。
怪我させるわけにはいかない。
短期でカタをつけねばならない。
力を使うか?
この人数相手に何処まで持つ?
ああ――
どうすれば此処を切り抜けられる!!!?

