APEXでは僕も動揺していたんだろう。
落ち着いて客観視出来れば、きっと気付けたはずだったのに。
「何でそんなことが出来るんだ!!?」
「…だから必要になったのか。
未知なる…"輝くトリペソヘドロン"が」
それは天然素材か、加工したのか…
その判断はつかないけれど。
無関係ではあるまい。
「あたし、頭狂いそう!!! それじゃなくてもタケノコみたいににょきにょき馬鹿でかい塔が"生えて"きたというのに!!!」
僕は、頭を抱えて唸りだした芹霞の頭をひと撫でした。
「じゃああの塔は、虚数変換装置みたいなものだというのか!!?」
「それだけじゃないだろうな、多分。
これだけ派手な演出をしておいて、
変換だけには終わらないだろう」
僕は…塔を見つめる。
暗闇に溶けそうな黒い塔。
それは何処までも円筒状の…
ん?
「ねえ…あの塔の上、何か出っ張ってない?」
2人は目を凝らしているようだ。
「そう言われれば。あそこで"0"と"1"を取り入れてるの?」
「いや…誘導は、この塔全体のような気がする。塔というより、外壁が」
「だったらあの出っ張りは?」
「がはははは。"i"の周波数を放出してるんだぞ、きっと」
それは単純明快な答えなれど。
ふと…思ったんだ。
「ねえ…話戻すけれど。
電磁パルスの爆発話」
2人は首を傾げた。

