「あ…メール」
携帯を広げてそれを確認する皇城翠。
「七瀬からか?」
ひょこりと煌が上から覗き込んだ。
「いいやこれは…。
……ん?
……んんん!!!?」
首を傾げる翠の横で、煌も同じ方向に首を傾げた。
「小猿…
"たれらちらにうどくやしがんはまし"
何だこれ???
迷惑メールって奴か?」
「いや…違うんだ。
こいつはいつもそうなんだ。
いつもは紫茉が解いてくれたんだけれど、今はいないから…」
うーんうーんと腕を組んで唸り始めて。
「どうしました?」
「あ、朱貴…。暗号なんだよ、これ。
今回は凄く難しいんだ。
俺さっぱり。
ワンコはどうだ?」
「頭の中、火花散って撃沈…」
頭脳戦に煌を頼るのは間違っている。
「暗号なんて…何処かの胡散臭い奴思い出しちまった…。まさか!!! 周涅そっくりな青い奴じゃないだろうな!!?」
「違うよ、別の奴」
「ほっとした。って言っても、あいつの暗号解けるのは櫂や玲くらいだから、小猿には無理だろうけど…」
その言葉で思い出す。
『アイするレイクンへ』
あ。
玲様に青い手紙、渡しそびれた。
ま、今度でいいか。
「貸して下さい」
朱貴が携帯を見ること、僅か3秒。
「逆から読めば文章が出来ますね。
"しまはんがしやくどうにらちられた"」
「「おお!!!」」
馬鹿2匹が目を輝かせた。
そして一同――
「「「「……」」」」
顔を歪ませて顔を見合わせた。
脳内変換が成されている。
『紫茉はんが赤銅に拉致られた』
――と。

