「聞こえんってば!!! お前ヘリから降りろ!! え!!? 降りたら電波が通じないって!!? 何でヘリなら通じるっていうんだ!!! 助けて貰った!!? 

ああ、経緯はどうでもいいから、ちょっとこっちに来い!!! こんなにぶつぶつ途切れる電話なら、埓があかん!!!

こっちか!!? 今、芝浦から三田に入ったあたりだが…ああ、確かにこの辺にはヘリポートはないな。え!!? あ、判った。台場…いや人がまだ居るか、じゃあ有明だな、有明で待ち合わせだ!!!」


電話を切ったらしい。


「どうしたんですか、三沢さん?」


「TBSにも…黒い塔が出現して、壊滅だとよ」


「「!!!」」


「後輩は誰かに助けられて、今ヘリを運転しているらしい。上空のどれかが後輩のだろう。有明で待ち合わせた。よしこれから有明に…」


そしてハンドルを切りながら、ふと窓を見たクマ男は声を上げた。



「何だ、ありゃあああ!!!」



あたし達もつられてそちらを見て、


目を見開いて絶句してしまった。



視界に飛び込んできたもの。



それは――



三田にある有名すぎる建造物…



――だった。




「何で"黒い"東京タワーが、



"2つ"もあるんだ!!!?」