シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 

「芹霞……?」


玲くんがあたしの顔を覗き込んでくる。



「もしかして…引いちゃってる…?」


あたしはぶんぶんと頭を横に振り、


「玲くん、ケッコ…」


結婚しないで。


そう続けようとした時。


"パパ~、電話~"


幼女の声がした。


な、何…この声。


さすがに玲くんも怪訝な顔をした。



"早く~、電話らよ~?"



「あ、俺か」



お前か!!!


出ようとしたクマ男の手を思わず取った。


「クマ…。あんたの趣味にとやかく言う気はないけれど、人前でその着ゴエと…援助交際だけはやめるんだ」


いくら何でも…そんな"現実逃避"は痛すぎる。


「嬢ちゃん!!! これは"マイドーター"のVHS音声を携帯用にアレンジだ!!!」


そう叫ぶと、クマ男が電話に出た。


マイドーター=我が娘。


我が娘……!!!?

クマは子持ちか!!!?

子グマが居たのか!!?


既婚グマだったのか!!?


「玲くん、クマ…」

「いたらしいよ、子供」


"いたらしい"


…何で過去形?