「芹霞……?」
玲くんがあたしの顔を覗き込んでくる。
「もしかして…引いちゃってる…?」
あたしはぶんぶんと頭を横に振り、
「玲くん、ケッコ…」
結婚しないで。
そう続けようとした時。
"パパ~、電話~"
幼女の声がした。
な、何…この声。
さすがに玲くんも怪訝な顔をした。
"早く~、電話らよ~?"
「あ、俺か」
お前か!!!
出ようとしたクマ男の手を思わず取った。
「クマ…。あんたの趣味にとやかく言う気はないけれど、人前でその着ゴエと…援助交際だけはやめるんだ」
いくら何でも…そんな"現実逃避"は痛すぎる。
「嬢ちゃん!!! これは"マイドーター"のVHS音声を携帯用にアレンジだ!!!」
そう叫ぶと、クマ男が電話に出た。
マイドーター=我が娘。
我が娘……!!!?
クマは子持ちか!!!?
子グマが居たのか!!?
既婚グマだったのか!!?
「玲くん、クマ…」
「いたらしいよ、子供」
"いたらしい"
…何で過去形?

