「ええと…」
「………」
こ、困った。
「んんと…」
「………」
あたしは玲くんが好きだし、何をどう言えばいいのか判らない。
「何だ嬢ちゃん、まさか他に…惚れ抜いた男でも…」
一瞬――
「三沢さん!!!」
動揺したけれど。
「あたしは…
"そういう存在はいなかった"」
口から漏れた、まるで呪文のような言葉。
実際居ないのだからそのまま言えばいいのに、まるで強制的に言わされたような…そんな違和感残る"過去形"。
「芹霞…」
玲くんの声が震えていた。
クマ男は何を悟ったのか、
「ま、まあ…『白き稲妻』も夜空に向けての大告白も、"いい思い出"に出来たということだし…」
強制的に話題を変えようとしたらしいけれど、今度はあたしの方が沈んだ。
"いい思い出"
玲くんが結婚してしまうという現実が蘇ってきたから。
幾らこうして大告白をしてくれようとも…それはただの過去になる。
ただの思い出。
――どうすれば『白き稲妻』に惚れる!!?
玲くん…。
どうしてずっと一緒にいてくれないの?
どうして結婚しちゃうの?

