「銀色氷皇は…!!!?」
銀色氷皇は、反対隣につけた車の上に移動し、動じた様子もなく悠然とこちらを見下ろしていた。
「ああ、しつこいね!!!」
玲くんは立ち上がったまま、苛立ったように言った。
「もっと足場が安定した広い場所なら!!!」
玲くん、生きているだけでも奇跡だと思うよ!!!
と思っている時に、
「三沢さん、ハンドル左に切って!!!!」
玲くんの声で、慌ててクマ男は条件反射のようにハンドルを回す。
真上を見れば首都高の降り口の看板。
速度を保持したまま、ボンドカーは左の道に入った。
銀色氷皇を乗せたパトカーは、瞬時の方向転換が間に合わなかったようで…そのまま直進したんだ。
「やった!!!」
玲くんの絶妙な一声と、クマ男の機敏な反射神経により、予想外に簡単に分離作戦は成功したけれど。
しかし!!!
「三沢さん、スピード…もういいってば!!!」
「踏んでいるんだよ、ブレーキ!!! サイドブレーキもまるできかないんだ!!! ロックみたいなものがかかっている!!!」
「「えええええ!!!?」」
猛速度で蛇行するボンドカー。
ジェットコースターなんて可愛いもの。
あたしのつっぺが、風に吹き飛ばされていく。
クマ男はハンドルを巧みに切りながら、車を避けていくけれど…渋滞に巻き込まれたり、一般道に降りたらこの速度は危険すぎる!!!
というか、命がないでしょう、間違いなく!!!
銀色氷皇が簡単にあきらめてあたしたちを逃がした理由が判った気がした。
このままだと、無事にはいられない。
どうするんだ!!!?
このままクラッシュして全員あの世行きか!!?

