幻覚…。
俺、幻覚で桜と小猿のあんな姿を見せられたのかよ。
桜もそうだったのだろう。
そして小猿も…
――葉山もワンコもやられたなんて絶対信じない!!!
皆、それぞれに幻覚を見せられていたというのか。
屈辱!!!
そう思ったら――
ふつふつと怒りが湧いてきて。
多分この気持ちは俺だけではないはずだけれど。
俺の怒りは火と化して、身体の底から溶岩のようにドッカーンドッカーンと表層に湧き出てきて。
怒り=火の力。
そう具体的に想起出来る今なら、出来る!!!
――全てお前の力だ。
そして俺は、拳に力が入るのを確認し、
「桜、そいつを寄越せッッッ!!!」
そこから火の力を発現させた。
かつて、腕環の力だと信じて力を放っていた時同様に…意志を持った業火の如く…桜が突き押した周涅を包み込んだ。
そして周涅の人型はみるみるうちに小さくなり…
「人形…?」
駆け寄った小猿の足元で灰になった。
「あれは周涅じゃなかったんだ?」
「言っただろうが、私が」
「気づかぬのはワンコばかり」
「何で人形?」
「多分…式みたいなものなんだろうな。俺は陰陽道だから紙だけれど、違う宗派は人形なんだよ」
「人形…」
桜は腕を組んで呟く。
「人形を使う宗派なんてあるか?」
「「さあ??」」
小猿。
お前が言ったことじゃねえかよ。

