その力は半端じゃねえ。
抵抗すればする程、喉に食い込む周涅の指。
肉を突き破り、直に骨に至る感覚。
本気で、やばい。
「葉山、ワンコッッ!!!?
くそっ!!! か、風の…」
符呪を取出そうとする小猿は、
「煩い!!!」
周涅の蹴りを顎にくらって床に落ちた。
ゴギン。
おかしな音がして、小猿の頭が…
あり得ない位置に見えたんだ。
ありえねえって…。
あの角度はありえねえんだってば!!!
小猿が、小猿が!!!
「……人を気にしている余裕があるんだ?」
首に食い込む周涅の指。
バキバキと何かが折れる音がする。
声すら上げられねえ。
身体が痺れて、呼吸すら上手く出来ねえ。
これが――
周涅ではなかったら誰だと言うんだ?
此処まで圧倒的な力を見せる輩は誰だと!!?
計都に…そこまでの力があるのか!!!?
バキバキ。
不穏な音を、陶酔じみた声が追いかける。
「ん~。いい音。頸骨何本いけるかな?」
俺だけではない、桜からも。
バキバキ。
俺の視界から、次第に色が奪われる。
こんなにあっさり抵抗力を奪われて…
人ってこんなに簡単に壊れることが出来るものなのか?
バキバキ。
全然…相手にもならねえよ、
何だよこの化け物。
「ははははは」
笑う。
笑う。
赤銅色の化け物は笑い続ける。

