「此処にいる全員が聞こえるのか。
なんだよ、由香…機械語か!!?」
「司狼。機械語は目で見て訳すモノで、聞くモノじゃないよ!!! 目を使わず、感覚で意味が通るのは師匠ぐらいなもので、ボクだって0と1の配置をみないと判らないよッッ!!!」
機械に対する素人も玄人も、
共に同じ"声"らしきものを感じるというならば。
共通項は…
画面?
画面の…このランダムパターンを目にしたせいか?
まさか。
目でみたからと言って、何で"声"が聞こえる?
視覚と聴覚に関連性はない。
「追いつかない!!! 無理だ。プログラム立てる時間もな……ん? まさか、なあ紫堂また…」
その時、遠坂が変な声を出して初めて俺を振り返り、氷皇のパソコンも同様な現象が起っているのに気づいたようで。
「そっちも!!? 特殊仕様のローカル氷皇PCが!!? ちょっと見せてくれ…」
大画面では、点滅するように0と1がランダムに消え続けていて。
0が…1が…。
0…1…。
「やっぱりそのPCもそうか。0と1…その消える順序、パターン化している気がするんだ。
"01101110011111010"…」
目を細めた遠坂がぶつぶつ何かを唱えて。
「これは…」
そして俺を見る。
「機械語だ」
そこにあるのは、神妙な顔。
「意味は――
"サザエさんのタマの声は、
声優によるものか効果音か"」
――は?
「その冒頭は――
師匠と取り決めた、
――第二の暗号」
もっと…
ましな暗号はなかったのか?
遠坂の顔は――
至って真面目だった。

