「ねえ、どうして蒼生ちゃんは、氷皇と名乗る癖に…青好きなんだろうね。此処まで徹底するなら、青皇って言ってもいいのにね。

五皇って…色が基本なんでしょう?」


「ん……」


玲くんの心、ここにあらず。


「玲くん。そんなに映像がいいなら、

もうあたし話しかけない」


「!!!」


途端玲くんが飛び上がって、


「ごめんね、芹霞!!! 

僕は映像より生の君の方がいいんだ!!

画面…テレビにしようね。ああ、ほら…例の生番組だ。

君がいつもチェックしている番組…ははは、僕達がまたVTRで流れたね、あれ、また…。随分と君は人気だね。僕としては腹立たしいけれど」


じと…。

あたしは青い手紙を手にしたまま、玲くんを見つめる。


「ええと…アオアオしている奴が何だっけ?」


あたふた、あたふた。


"アオアオ"


確か1枚目は、凄く"アオアオ"してたな。

2枚目、車に挟まっていたものの終わりには、


『P.S.

今回はアオアオしてないよん』


「玲くん、蒼生ちゃんは、"アオアオ"意識してるのかな?」

「してなかったら、わざわざこんな手紙…」



そして玲くんは考え込んだ。



「何で2枚目に、わざわざこんな追伸書いたんだ?」

「アオアオしたかったんじゃないの、本当は」

「何でアオアオしなかったんだ?」


アオアオ。


2人で言って、顔を歪める。


腹立たしい単語だ。


「ん、待てよ?

2枚目は…捨てるなっていう注意書きは無かったよね?」


「うん。2枚目一応は取ってあるよ」


「何で…2枚目は例外なんだろう?」


「アオアオしてないからじゃないの?」


ああ、頭の中、アオアオだ。