シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 
「はあ!!? 何故黙秘の必要があるんだよ。蓮、紛らわしい言い方をするなよ!!!」


「きゃはははははは!!!

"すーはーすーはー"」


「ほら、旭までそう言ってるじゃないか、この変態」


「な!!! 変態…って…旭は、ただお前の真似をしただけだろう!!?」



「"すーはーすーはー"」

「"すーはーすーはー"」




「"すーはーすーはー"」

「"すーはーすーはー"」



「蓮!!! 止めろ、喧(やかま)しいその2人を止めろ!!!」




「"すーはーすーはー"」

「"すーはーすーはー"」



……煩(うるさ)い。




「"すーはーすーはー"」

「"すーはーすーはー"」




「蓮!!!!」



煩いのは、お前だ。




「め、めめめ、目覚めた!!?

紫堂、君の大嫌いなあいつが判るか!!!?」




頭にくるような…妖麗に整いすぎた顔立ち。


絶妙すぎる顔の輪郭は…以前のような"虚無"を逸脱し、生気に満ちていて。


それが更に、苛立たせるにいいだけの美貌を魅せつける。


老舗の名家、各務家の現当主――


各務(かがみ)久遠。




最悪だ。



目覚め早々…

俺の天敵とも言えるこの顔をみるなんて。