シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



「お前が芹霞さんを想い続けようと…

足掻いて藻掻いて櫂様に立ち向かうおうと…

如何に無謀なことを企てようと…


私はどうでもいい」



そして桜は鼻でせせら笑った。



「芹霞さんと櫂様が惹かれ合っているのは、

お前だって判りきっていただろうが。


それを承知で横恋慕したのだろう?


私は何度も忠言したというのに、

無視したのはお前だ。


…何をじたばた、見苦しい。



それこそ――…


"今更"、だ」



何だか…泣けてくる。



「お前みたいな自由奔放な駄犬が、贖罪だ何だと…人並に"我慢"出来ると思っていると思える方が、馬鹿馬鹿しい。

畜生に"我慢"など出来るはずないだろう。

諦められないのなら、進むしかないだろう。


お前のウリは、忠言すら聞こうとしない…意固地なまでの"しぶとさ"だろうが。


それなのに何を女々しくぐだぐだ、ぐだぐだ…

私にお前の自分勝手な気持ちの整理を押し付けられても、甚だ迷惑なだけだ。


"今更"、怒る気にもなれやしない」



なあ…桜。


お前いつも口は悪いけれど、


"頑張れ"

"諦めるな"


何だかそう言われている気が…



「言っておくが。

お前の応援などしてない!!」



少しくらい…

思わせてくれよ、桜…。


余韻くれよ…。