玲くん…結婚したい人いるなんて教えてくれなかったじゃない。

そんな人いるなら、何であたしと"お試し"してるの?


玲くん…。


あたし判らないよ…。

理解しようと思ってたのに…大事なこと隠されてたら判らないよ。


ねえ何で教えてくれないの?

あたし頼りない?


だから余計に沈んでしまった。


「芹霞?」



玲くんがちらちらとこちらを見ている。


「大丈夫? 酔っちゃった?」


心配してくれる優しい玲くん。


「車停めようか?

何処か喫茶店でも入る?」


本当に優しい玲くん。



「玲くん…」


「ん?」


「玲くん…"お試し"してて、楽しい?」


あたしは聞いた。


終焉がある未来しかないのに。

続いていかない関係なのに。


エイエンジャナイノニ。


「楽しいよ?」


玲くんは微笑む。


「"お試し"だから?」


すぐ終わるものだから?


「え?」