「ああ、それ…カップルに貰ったの。お土産にそれを買ったみたい。それ、玲くんに"使って"って。」
「土産…? カップル? "使う"?」
そして褐色の瞳が、妖しげに揺れた時。
「えす「煌、余計なこと言うんじゃないよ」
「??? えす??」
芹霞さんが、動きを止めて、首を傾ける。
「何でもないよ、芹霞」
にっこり。
えすって何だろう。
そして取り出された半券。
番号をリストを照合してみると…
「あるけどこれ誕生日じゃなく…青字で"幸せな魔法使い"…は???」
煌の言葉に覗き込めば、
確かにある。
"幸せな魔法使い"
何だこれは。
「ねえ玲くんあの紙「僕の誕生日じゃないね」
「そうだね。であの紙「僕の誕生日知ってる?」
また"紙袋"を遮った玲様。
「うん。1月21日」
「良くできました」
にっこり。
「そりゃあ毎年お祝いしているからね」
「嬉しいな。また今度もしてくれる?」
「勿論!!」
玲様。
"紙袋"って何なのでしょう?
「とりあえずこれ持って…此処から出よう」
玲様の提案で、私達は…閑散としたS.S.Aを後にする。

