「じゃあ何でお前じゃねえ見えねえ奴がんなもの操れるんだよ!!? つーか、じゃあお前の力の範囲内なら、玲、これを抑えられるのか!!?」
玲様は自らの青光を、万年筆の光にぶつけられた。
見るからに青の純度も威力も違うのに――
「え!!? 玲が競り負ける!!?」
煌が驚いた声を出しながら、偃月刀を振り回す。
偃月刀は青光を叩ききれるようだ。
本当にふざけた武器だ。
「強弱じゃない。強さなら寧ろ…僕の方が上だ。これは…取り込まれているんだ。僕の力が吸収されている」
「あ!!!?」
「この感覚――
構成されているのは、
――…"虚数"だ。
僕の…0と1の力の天敵だ」
玲様が言った。
そして。
「煌!!! 触れれば溶けるか爆発するかの光に、どうしてお前は偃月刀で直接叩き斬れてる!!?」
そう言えば!!!
これは"ふざけた"レベルの話ではない。
煌が斬っているのは、私の様な見えぬ主ではなく…青い光そのもの。
「気をつけろ!!!」
四方八方から青光が放たれる。
玲様の結界は吸収されるのだとすれば。
完全に弾くことが出来る、真の結界は煌の偃月刀。
旋回続ける巨大な刃。
「煌!!!」
再び玲様が叫ぶ。
「もっと刃の角度を倒せ」
「あ?」
「刃に――映ってる!!!」
旋回する偃月刀。
確かに――見えた。
現実にはない…不可視の自警団の姿。
白い制服を着た…能面の顔の数々。
刃には…確かに――
肉眼では見えない敵が存在していたんだ。

