そうだよね…。

芹霞に危険な目にあわせたんだし。



――弱っちいなあ、反吐が出る。



横須賀では、随分見下してくれたよね…。


僕、思い出してしまったよ。



バシバシバシバシ…。



うん。

もう少し傍観していよう。




「玲様…"えげつない"お顔です…」




バシバシバシバシ…。




「そうかな。普通だよ?」




バシバシバシバシ…。



「ウンとかスンとか何か言いやがれ、この駄犬ッッ!!!


黙秘貫くなんて卑怯な真似して、あたしに喧嘩売る気ならッッッ!!!


この神崎芹霞ッッッ!!!


正々堂々と受けてやるわッッッ!!!」



バシバシバシバシ…。



芹霞は…完全にキレているんだろう。


「ふふふふふ・・・」


何だろう。

こんな時だというのに…笑みが零れる。


桜が一層怪訝な顔をこちらに向けるけれど。



ああ…僕。

僕の近くに、皆が居るというだけで。



凄く嬉しいんだ。


芹霞以外、今まで僕1人だったから。


ずっと周囲に警戒ばかりして、気を張っていたから。