シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



途端ゲホゲホと噎せ返り、


「ま、まっず~ッッ!!!」


渋い顔をして舌を出した。


芹霞は素人だ。

どんな副作用があるか判らない。


慌てて芹霞の元に駆け付けた僕と桜に――


「来ないでッッ!!!」


片手の掌をばんっと壁のように僕達に向けて、僕達の動きを制する。


そして――


「玲くん、桜ちゃんッッ!!!


電気を解除して、奴が逃げないように抑えてて!!!」



「「は!!!?」」



「"は!!!?"じゃないの、早くッッッ!!!


両腕抑えて、立たせてッッッ!!!」



僕達は…いきり立つ芹霞に逆らうことが出来ず、言う通りにした。


ああ…どうしても、背景に緋狭さんが見える。



そして僕と桜が煌の両腕を力任せで押さえて、煌を直立させた時だった。



ドドドドドドド…。



直線しか走れない猪のように――

芹霞が勢いつけて走ってきて。



ドドドドドドド…。



そして――…




「いつまでも――

ぐだぐだして、逃げ回るんじゃないッッッ!!!!



この――


大馬鹿駄犬めがッッッッ!!!!」




そう、思い切り飛び跳ねて――



「天誅ッッッッ!!!!」




頭突きしたんだ。



動けない――煌の頭に。