途端ゲホゲホと噎せ返り、
「ま、まっず~ッッ!!!」
渋い顔をして舌を出した。
芹霞は素人だ。
どんな副作用があるか判らない。
慌てて芹霞の元に駆け付けた僕と桜に――
「来ないでッッ!!!」
片手の掌をばんっと壁のように僕達に向けて、僕達の動きを制する。
そして――
「玲くん、桜ちゃんッッ!!!
電気を解除して、奴が逃げないように抑えてて!!!」
「「は!!!?」」
「"は!!!?"じゃないの、早くッッッ!!!
両腕抑えて、立たせてッッッ!!!」
僕達は…いきり立つ芹霞に逆らうことが出来ず、言う通りにした。
ああ…どうしても、背景に緋狭さんが見える。
そして僕と桜が煌の両腕を力任せで押さえて、煌を直立させた時だった。
ドドドドドドド…。
直線しか走れない猪のように――
芹霞が勢いつけて走ってきて。
ドドドドドドド…。
そして――…
「いつまでも――
ぐだぐだして、逃げ回るんじゃないッッッ!!!!
この――
大馬鹿駄犬めがッッッッ!!!!」
そう、思い切り飛び跳ねて――
「天誅ッッッッ!!!!」
頭突きしたんだ。
動けない――煌の頭に。

