ああ、もう…
心に温かいものが流れ込んでくる。
何度言っても足りないくらいの"ありがとう"。
そして。
伝えきれない程の"好き"。
お願いです。
まだ君を好きでいさせて下さい。
僕は、君が欲しいんです。
愛しくて堪らないんです。
――紫堂櫂を愛してる!!!
例え…――
どんな罪を犯しても。
桜の視線を感じる。
何か、感じ取っているのだろうか。
どんなに侮蔑されて罵られても、
僕は諦められないんだ。
僕の時間を…進ませて欲しい。
立ち止まりたくないんだ。
「玲くん?」
黙った僕の顔を、不安そうに芹霞が覗き込んでくる。
だから僕は芹霞の頭を一撫でして笑った。
「本当は…もっとちゃんと仲直りの"儀式"をしたかったんだけど。これだけで我慢してね」
そして、唇だけで投げキスを向けると、
「――~~ッッッ!!!!」
途端に凄まじい鼻血を吹き出した。
おかしいな。
鼻血…何で出たんだろう?
何処に鼻血の要素があったんだろう?
僕が差し出すティッシュで、芹霞を介抱する桜に無言で尋ねてみたけれど、桜の目は…完全に泳いでいた。

