シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



ああ、もう…

心に温かいものが流れ込んでくる。


何度言っても足りないくらいの"ありがとう"。


そして。


伝えきれない程の"好き"。


お願いです。

まだ君を好きでいさせて下さい。


僕は、君が欲しいんです。


愛しくて堪らないんです。



――紫堂櫂を愛してる!!!


例え…――

どんな罪を犯しても。



桜の視線を感じる。


何か、感じ取っているのだろうか。


どんなに侮蔑されて罵られても、

僕は諦められないんだ。


僕の時間を…進ませて欲しい。

立ち止まりたくないんだ。



「玲くん?」


黙った僕の顔を、不安そうに芹霞が覗き込んでくる。



だから僕は芹霞の頭を一撫でして笑った。


「本当は…もっとちゃんと仲直りの"儀式"をしたかったんだけど。これだけで我慢してね」


そして、唇だけで投げキスを向けると、



「――~~ッッッ!!!!」



途端に凄まじい鼻血を吹き出した。


おかしいな。


鼻血…何で出たんだろう?

何処に鼻血の要素があったんだろう?


僕が差し出すティッシュで、芹霞を介抱する桜に無言で尋ねてみたけれど、桜の目は…完全に泳いでいた。