シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 

「違う、ねえ違うんだよ、芹霞。

誤解、誤解だってばッッッ!!!」


何か…

既視感(デジャブ)を感じるのは気のせいか。


芹霞は僕をぼんと両手で突き飛ばして、


「桜ちゃああああんッッッ!!!

どうしよう、どうすればいいかなああ!!!?」


今度は桜に抱きついていて。


桜は…石のように固まっている。


「………」


判っているよ。

相手は桜だって。



「………」


うん、僕だってそれくらい、判ってはいる。


だけどね――



「す、すみません、玲様!!!!」


僕の無言の視線に気づいた桜が、青ざめた顔をして、両手で僕に芹霞を返してくれた。


「ん、ありがとう」


そう微笑むと、


「い、いえ…」


何とも複雑そうに桜は答えた。




僕は深呼吸をしてから、芹霞ににっこりと笑いかけた。


そして手を差し出す。


「???」


嗚咽繰り返す芹霞が、変な顔をした。


「仲直り、しよ?」


すると芹霞の顔が、ぱあっと明るく輝いて、


「うんうんうんうんッッッ!!!」


僕の片手を、両手で握ってきた。