シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



目の前が白くなる。


――諦めるな。



ああ、もう僕の――


臨界点。


――諦めるんじゃない、玲。



緋狭さんの声が聞こえるなんてね…。







そんな時。





耳慣れた機械音がしたんだ。


それは勝敗がついた時に流れるファンファーレ。


それは闘いの終了を告げている。




え?


僕、死ななくていいの?


僕は、瞑った目を開けた。


それは呆気ない結末。



暫し目を瞬かせれば…


ゆんゆん一派は動きをぴたりと止めていて。


まるで時間が止まっているように。



僕は恐る恐る…ドラゴンの頭に近付いて見た。



炎すら、止まっている。



何?


僕助かったの?


何で?


だけど思う。


緋狭さんは…また僕に力をくれたのだと。


熾烈な赤の…僕の魔法使い。


僕は――

生かされたんだ。


夢を…現実に出来るかどうかは、

僕の頑張り次第と言うことか。


だったら――

僕は前に進むだけ。



歪んだ電脳世界の先には、"僕"も"芹霞"もいなかった。


その代わり、外界を映し出したその歪みが段々閉じられていき――



「ちょ、待って!!!」



そこに触れた時、



「!!!!」


僕の手に青い光。


そう、それは僕の操る力。


反撃をくらったんだ、僕が。