シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 

泣かせてしまったね。

笑顔を消してしまったね。


だから、こんなふざけた最期を迎えるに至ったことは、全部全部――自業自得。



だけど最後くらい、

君にとっての僕は…


いい印象を植え付けたかった。

忘れられない男になりたかった。


こんな卑怯な男の言葉でどうにかならないような、そんな唯一の存在に。


きっとそれは無理だね。


泣かせたくなかった。


ただ愛して貰いたかった。


男として意識して貰いたかった。


ただそれだけ。


ごめんね。


――紫堂櫂を愛してる!!


君の"心"を封じてしまって。


だけどだけど…。


それだけ僕は君に本気で恋してた。



僕が死ぬのが運命だというのなら。


ただ1つ、これだけは良かったと言える。



僕は、芹霞以外と結婚しなくてすんだ。


僕は、芹霞以外の女を抱かなくてすんだ。



それだけは純粋に嬉しい。


このまま君への愛情だけを抱いて死ねるのは、

何て幸福なんだろうね。