泣かせてしまったね。
笑顔を消してしまったね。
だから、こんなふざけた最期を迎えるに至ったことは、全部全部――自業自得。
だけど最後くらい、
君にとっての僕は…
いい印象を植え付けたかった。
忘れられない男になりたかった。
こんな卑怯な男の言葉でどうにかならないような、そんな唯一の存在に。
きっとそれは無理だね。
泣かせたくなかった。
ただ愛して貰いたかった。
男として意識して貰いたかった。
ただそれだけ。
ごめんね。
――紫堂櫂を愛してる!!
君の"心"を封じてしまって。
だけどだけど…。
それだけ僕は君に本気で恋してた。
僕が死ぬのが運命だというのなら。
ただ1つ、これだけは良かったと言える。
僕は、芹霞以外と結婚しなくてすんだ。
僕は、芹霞以外の女を抱かなくてすんだ。
それだけは純粋に嬉しい。
このまま君への愛情だけを抱いて死ねるのは、
何て幸福なんだろうね。

