芹霞。
芹霞。
好きだ。
君が好きだ。
僕を好きになって?
僕だけを見つめて?
何度も何度も繰り返し願い続けていた僕。
僕自身を滅ぼしてしまうそうな…激しい想いに気が狂いそうで。
あの場の狂気が…僕を煽り立てていた。
そんな中。
芹霞が櫂の後を追おうとした時…僕の心は弾けてしまった。
「櫂の処に行くなッッッッ!!!!」
それは…櫂から逆転の為の"切り札"を言われた時から、恐れていた。
櫂は…芹霞を連れて行ってしまうのではないかと。
僕の処には来ないのではないかと。
僕は…芹霞を手に入れることが出来なくなるのではないかと。
「まだ――
櫂を選ばないでくれッッッッ!!!!」
そう。
僕が。
僕がいるのに。
まだ僕は…君にきちんと想いを…告げていないのに。
冗談には済まさない、真摯な態度で…君に告げていない。
君が冗談に出来ない程の愛情を、まだ君に見せていない。
まだ…片鱗だけだ。
これからなんだよ、芹霞。
まだ僕は意識されていない。
まだ僕は"お出かけ"していない。
まだ勝負にも至っていない。
早いよ。
早すぎるよ、芹霞。
結論を出すにはまだ…早すぎる!!!

