このままだと平行線。
「お願い、桜ちゃん。あたしを信じて?
もし万が一にも違ったら、あたし――…
腹かっ捌(さば)いて、責任取るから」
「そういう問題じゃないでしょう!!!
貴方は何処の武士ですかッッッ!!!」
根拠がないんだ。
頼れるのは、芹霞さんと玲様の絆。
その強さ如何によって、彼女の言葉は真実となりえる。
だけれど私には…櫂様ほどの結びつきがあるようには思えなくて。
芹霞さんの玲様に対する絶対的な信頼感は認める。
だけど。
櫂様に対するのと同等の"理解"が彼女あるのか。
そして多分、その差違こそが玲様の悩みの種でもあるはずで。
「桜ちゃん。あたしは…玲くんを理解したいの。理解しなくちゃいけないの。あたし…玲くんを理解しようとしなかったこと、凄く後悔してるから。
精一杯玲くんを理解しようとして…その上での結論なんだ。あれは玲くんじゃない。あたしの身体が、陽斗が…叫ぶの。
早く、あれを斬れって」
「………」
「あたしが、玲くんを殺させるはずないでしょ!!!?」
私は――
「あたしはもう…玲くんを見失わないッッ!!!」
だから私は――。

